第7部 ラビが去って
Home > 保護犬物語 > 第7部 ラビが去って

一周忌

1年経つと、さすがにラビのいない生活にも慣れてきました。
とは言うものの、まだ夜ゴミ出しのとき等、後から嬉しそうに着いて来たラビが思い出されます。

ノラを亡くしたときはペットロスに耐えきれず、ラビを飼う事になりましたが、今回はきちんと悲しみを受け止める事が出来たように思います。
妻と話し合って、ラビの喪が明けるまで次の犬は迎えないと決めています。さて喪が明けたらどうするか・・・・

2人ともまた犬と暮らしたくて仕方がありません。
でも私達の歳でまた犬を飼い始めて良いものか・・・

今日は、10月14日、ラビの命日、一周忌です。
だいきち。さんがラビに百合の花を届けて下さいました。


大切なつらい記憶

今日でラビが去って2年が過ぎる。
病院の待合室で検査結果を待っていたあのせつない時間を思い出すと今でも、いたたまれなくなって「ワ~ッ」と叫びそうになる。

一昨年の10月13日、ラビの嘔吐が止まらず吐くものが無くなっても水を飲み、また吐き続けた。
かかりつけの医院で急患扱いですぐに診察検査してもらい、私達は待合室でラビを膝に乗せ、検査結果を只々、待ち続けていた。

急性膵炎・・

「人間ならのたうち回る程の苦痛です。ラビちゃんもかなり痛いはずですよ。よく頑張ってますね。」

医師はそう告げた。
ラビは私達の膝の上で30分近くの間、うめき声もあげず、じっと抱かれていてくれた。
すぐ入院する事になって、看護士さんに病室に連れて行かれるとき、ラビは素直に付いていった。
「あ・・」嫌な予感がした。
いつもなら私達と帰りたがってグズるのに・・・


翌14日の朝、「膵炎の症状は好転してきている」と電話の知らせを受けた。
しかし私も妻も、膵炎は治まっても、もうラビは元の日常生活には戻れない事を知っていた。
小康状態に見えても、2年間のクッシング症は彼女の内臓を限界まで痛めつけていたことだろう。
最後の介護生活の覚悟をしていた。
あと2ヶ月だろうか、半月か、それとも一週間・・・その時を迎える心の準備もしていた。
でもその日の夕方に見送る事になるとは、さすがに思いもしなかった。

歳とともに私の記憶もアチコチあやしくなってきた。
待合室でのひと時、せつない悲しみもくっついてくるのだけれど、あの記憶は絶対に薄れて欲しくない。
ラビを最後に抱いていたあの待合室の記憶・・・

真夜中の散歩

私は夜中の2時~3時でもよく散歩に出かけます。
眠りにつく前に、仕事のストレスや体のコリをほぐさないと安眠出来ないのでそうしているのですが、去年の今頃はとても辛い散歩でした。
ラビと言う大切な「お供」を失ったばかりでしたから・・・
私はラビの首輪とリードを握りしめて、夜の住宅街をさまようように歩いていました。




仕事で疲れた後、夜中の2時を回っていても、寝る前にひと歩きする習慣は今も続いています。
もちろん、もうリードや首輪を持ち歩いたりはしていません。

でも、明日からは久しぶりに、またリードを握りしめての散歩が始まります。
明日、新しい家族「ビビ」が我が家にやって来るのです。
ノラとも、ラビとも全く違うタイプの子・・・
でもノラのように、ラビのように、ビビもまた、たくさんの幸せを私達にもたらしてくれることでしょう。

ノラ→ラビ→ビビ 名前は前の子から一字もらってつけています。
なんだかソワソワしてしまって、今夜は導眠剤でも飲まなければ寝つけそうもありません。



骨を噛む犬




この絵は7年くらい前に描いた、私の中にある「犬のイメージ」を絵にしたもので、特定の犬をモデルにしてはいません。
雑種で茶色のぶち、長い鼻面にソバカス模様、骨ばった体、立ち耳か半タレ耳・・・・
これが私のイメージした犬でした。

ラビの喪が明けて、また犬を飼う事になっても私達は自分の年令を考慮して、5~6歳の犬を、と考えていました。
それなのに私には里親募集サイトに、とても気になる子犬がいて、しょっちゅう覗いていました。
妻がとうとう「そんなに気に入ったのなら、申し込んだら?」と許可してくれて、ビビは我が家にやってくる事になりました。

2週間前、ふとこの絵を持ち出して、「ああ、そうか」と納得しました。
不思議なほどよく似ていませんか?

【コラム】⑤ 犬はなぜこんなにも愛しいのか

昔読んだ雑誌で忘れられない記事ががあって、時々その雑誌を探してるけれどなかなか見つけられないでいる。

細かい部分は覚えていないがこういった内容だ。
ある人類学者に記者が取材の最後にこう質問した。
「ところで先生、人が一番始めに家畜化した動物は何でしょう」
学者は「はっきりとは言えませんがおそらく羊でしょう」と答えた。
記者は意外に思い、問い返す、「犬じゃないんですか?」と。

その人類学者は答えた。  
       
「犬は家畜ではありませんよ」
 
犬は私たちの祖先と石器時代からあるいはそれ以前から、ずっと一緒に暮らし、一緒に進化してきたのだ。

 



家畜ではない、あえて言えば「共生動物」・・・・

ここに、私たちは犬と一緒にいるだけで他では得られない安心感と安らぎを得られる理由があるのだと思う。


「ラビの思い出」はこれで終了です。
番外編「ラビちゃんの年賀状シリーズ」、ラビちゃんの友達ワンコについてのイラストエッセイ「愛しき犬達」も近日公開予定です。お楽しみに!

お問い合わせフォーム
PAGE TOP